美術館や展覧会のニュースだけでなく、デザイン、映像、パブリックアート、アート市場までを網羅!
+び。STATIONでは、国内外で起きているアートの動きから、気になるニュースをピックアップ、今回は、2026年10月2日時点の最新情報から10本を紹介します。
「何が起きたのか」だけでなく、どこが面白いのか、なぜ注目したいのかも一緒に見ていきましょう。
国内のART NEWS
1|渋谷PARCOで「P.O.N.D. 2026」開幕。アート・映像・音楽が交わる10日間
渋谷PARCOで10月2日、「P.O.N.D. 2026」が開幕しました。
若手作家による展示だけでなく、1階では稲垣悠太朗によるパブリックアート、9階SUPER DOMMUNEでは玉山拓郎によるプログラム「P.O.N.D.OMMUNE」、地下ではみずかみしゅうとの個展などが展開されます。
音楽をリアルタイムで映像や空間演出へと変換するプログラムも予定されており、美術、映像、音楽、都市空間を横断する構成です。
開催場所:渋谷PARCO(PARCO MUSEUM TOKYO、SUPER DOMMUNEほか)
日時:2026年10月2日(金)〜10月19日(月)11:00〜21:00 ※最終日は18:00まで
ここがポイント
「展覧会を見る」というより、建物の中を歩きながら、さまざまな表現に出会うタイプのイベントです。
絵画や彫刻だけでなく、映像やライブ、グラフィックまで含めてアートとして楽しめるのが特徴です。
参考:PARCO「P.O.N.D. 2026」
2|福岡で第1回「KINGAF 2026」開幕。台湾の新世代作家24人を紹介
福岡・天神と今泉の2会場で10月2日、「九州国際新世代アートフェア KINGAF 2026」が始まりました。
参加するのは、台湾を中心に活動する若手作家24人。
絵画、水墨、ミクストメディア、ソフトスカルプチャー、イラストレーションなど、幅広い表現が紹介されます。
開催場所:ONE FUKUOKA BLDG. 6階 Presentation Room 1/SIGNAL GALLERY(福岡)
日時:2026年10月2日(金)〜10月5日(月)※10月2日は一般公開15:00〜19:00、3〜5日は11:00〜19:00
ここがポイント
東京や大阪ではなく、福岡を舞台に新しい国際アートフェアが立ち上がった点に注目です。
イラストレーションも現代美術と同じ文脈で扱われており、ジャンルの境界が広がっていることも感じられます。
参考:KINGAF 2026
3|天王洲で「After Light」開幕。光をめぐる3人の現代美術
天王洲のBONDED GALLERYで10月2日、「After Light」が開幕しました。
参加するのは今西真也、志村諭佳、金氏徹平。
厚く重ねられた油彩、光学的なレリーフ、コラージュ的な立体など、それぞれ異なる方法で「光によってものの見え方がどう変わるか」を探ります。
開催場所:BONDED GALLERY(TERRADA ART COMPLEX II 4F・東京)
日時:2026年10月2日(金)〜10月24日(土)12:00〜18:00 ※休廊日あり
ここがポイント
光は作品を「照らすもの」であると同時に、作品そのものを変えて見せる存在でもあります。
絵画、立体、知覚という異なる領域を、「見ること」というひとつのテーマから考えられる展覧会です。
参考:TERRADA ART COMPLEX
4|全国8地域・40組で見る、日本のグラフィックデザイン。「JAGDA Exhibition 2026」開幕
東京ミッドタウン・デザインハブで10月2日、「JAGDA Exhibition 2026」が開幕しました。
日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)のネットワークを通じて、北海道、東北、関東甲信越、東京、中部、関西、中四国、九州の8地域から40組のデザイナーを紹介します。
開催場所:表参道・外苑前、原宿、渋谷、六本木、銀座、東京駅周辺など都内各所
日時:2026年10月30日(金)〜11月8日(日)
ここがポイント
グラフィックデザインというと、東京の広告や企業デザインを思い浮かべがちですが、実際には全国各地で独自の表現が生まれています。
地域ごとの文化や仕事とデザインが、どのようにつながっているのかを見る機会にもなりそうです。
参考:東京ミッドタウン・デザインハブ/JAGDA
5|DESIGNART TOKYO 2026、AI時代の「写真」をテーマにした展示も
10月30日に開幕する「DESIGNART TOKYO 2026」に向け、参加企画の詳細が発表されています。
今年のテーマは「Hibiki」。
旧東京高速道路KK線を活用するメイン会場をはじめ、東京各地でさまざまなデザイン企画が行われます。
アマナによる展示では、写真を起点に、生成AI、光、水などを通して「イメージとは何か」を考えます。
開催場所:表参道・外苑前、原宿、渋谷、六本木、銀座、東京駅周辺など都内各所
日時:2026年10月30日(金)〜11月8日(日)
ここがポイント
生成AIを単なる便利な制作ツールとしてではなく、「写真」や「現実らしさ」の意味を問い直す存在として扱う点が興味深いところです。
デザインとアート、写真とデジタル表現の境界を考える企画になりそうです。
参考:DESIGNART TOKYO/アマナ
海外のART NEWS
6|フランス現代美術の重要賞「Prix Marcel Duchamp 2026」候補者展が開幕
パリ市立近代美術館で10月2日、マルセル・デュシャン賞2026の候補作家展が始まりました。
候補となったのは、Joël Andrianomearisoa、Brognon Rollin、Laura Henno、Josèfa Ntjamの4組。
受賞者は10月22日に発表される予定です。
開催場所:Musée d’Art Moderne de Paris(パリ市立近代美術館)
日時:2026年10月2日(金)〜2027年2月7日(日)10:00〜18:00 ※月曜休館
ここがポイント
マルセル・デュシャン賞は、現在のフランスを代表する現代美術賞のひとつです。
すでに評価が確立した作家を見るのではなく、これから国際的に注目される可能性のある作家を知る入口としても楽しめます。
参考:Musée d’Art Moderne de Paris
Prix Marcel Duchamp 2026 公式展覧会ページ →
7|メトロポリタン美術館、Si Lewen《The Parade》全63点を初公開
ニューヨークのメトロポリタン美術館で10月1日、「There Are No Words: Si Lewen’s Parade」が開幕しました。
《The Parade》は、第二次世界大戦後に制作された63点のドローイングからなる連作です。
同館が2024年に作品を取得して以降、全63点がまとめて公開されるのは今回が初めてです。
開催場所:The Metropolitan Museum of Art, Fifth Avenue, Gallery 690(ニューヨーク)
日時:2026年10月1日(木)〜2027年1月5日(火)
ここがポイント
一枚の絵ではなく、複数の絵を順番に見ることで物語が進んでいく作品です。
絵本や漫画、グラフィックノベルにも近い構造を持ち、「イラストレーションと美術の境界」を考えるうえでも面白い作品です。
参考:The Metropolitan Museum of Art
The Metropolitan Museum of Art 公式展覧会ページ →
8|ポートランド美術館、建設予定地を“仮設の美術空間”として開放
アメリカ・メイン州のPortland Museum of Artが10月2日、屋外パビリオン「PMA | AMP」を開設しました。
将来、美術館の拡張施設が建設される予定の土地を活用し、インスタレーション、パフォーマンス、映画上映、ワークショップなどを行う公共空間として使用します。
設計はLEVER Architectureです。
開催場所:Portland Museum of Art拡張予定地/Portland Arts District(米メイン州ポートランド)
日時:2026年10月2日(金)オープン ※グランドオープニングは9:00〜20:00
ここがポイント
建物が完成するまで土地を閉じておくのではなく、その期間からすでに「美術館」として使い始めています。
建築、公共空間、アートを一体で考える面白い試みです。
美術館を「作品を見る場所」だけでなく、新しい体験の入口として開いていく動きは日本にもあります。東京国立近代美術館などで行われている「ぬいぐるみお泊り会」を紹介したプラステ号外では、物語を通して美術館との距離を縮める試みを取り上げています。
参考:Portland Museum of Art
9|ARと映像を使ったパブリックアート《Cabin in the Sky》、ボストンで公開
ボストンのFranklin Parkで、Ifé Franklinによる《Cabin in the Sky》が10月2日から公開されています。
実物大のキャビンに、AR、映像投影、音響、ライブパフォーマンスなどを組み合わせた作品です。ボストン市が展開する「Un-Monument Initiative」の一環として制作されました。
開催場所:Overlook Ruins, Franklin Park(ボストン)
日時:2026年10月2日(金)19:30〜21:30
ここがポイント
パブリックアートというと、広場に置かれた彫刻を想像しがちです。
けれど現在では、スマートフォン、映像、音、パフォーマンスなどを組み合わせた「体験型」の作品も増えています。
公共空間そのものが、ひとつの作品になる例です。
参考:City of Boston
10|アニナ・メジャー、陶芸を“空間”へ拡張する大規模個展
マイアミのPérez Art Museum Miamiで10月1日、アニナ・メジャーの「The Sacred Mangrove」が開幕しました。
バハマ出身のメジャーは、陶芸を中心に制作してきた作家です。
今回は、編み込むように制作された陶作品やボトルツリー、貝殻などを使い、彫刻、建築、風景がつながる大規模な空間をつくり出しています。
開催場所:Pérez Art Museum Miami(PAMM/マイアミ)
日時:2026年10月1日(木)〜2027年8月1日(日)
ここがポイント
陶芸というと「器」を思い浮かべるかもしれませんが、現代美術では、素材や技法そのものを大きな空間へ広げる表現もあります。
工芸と彫刻、インスタレーションの境界を見る展覧会です。
参考:Pérez Art Museum Miami
「Anina Major: The Sacred Mangrove」公式展覧会ページ →
あとがき
今回のニュースを見ていると、「美術」という言葉が指す範囲がかなり広がっていることがわかります。
グラフィックデザイン、AI、AR、映像、ライブ、建築、陶芸。
どれも昔なら別々のジャンルとして扱われていたものですが、現在では互いに混ざり合いながら、新しい表現が生まれています。
+び。STATIONでは、絵画や彫刻、美術史のニュースだけでなく、その周辺で起きている面白い動きもこれから拾っていきます。
