美術館や展覧会のニュースだけでなく、絵画と音楽、イラストレーション、写真、ファッション、ダンス、アニメーション、タイポグラフィ、文化史までを網羅!
+び。STATIONでは、国内外で起きているアートの動きから、気になるニュースをピックアップ。2026年10月20日は、国内6本・海外6本の計12本をお届けします。
「何が起きたのか」だけでなく、どこが面白いのか、なぜ注目したいのかも一緒に見ていきましょう。
国内のART NEWS
1|ベートーヴェンのピアノソナタを木炭で描く!―音楽を線と絵画に変える「木炭書」
東京・銀座の銀座アートホールで10月20日、しずまれい(静間玲)の「第18回創画展」が始まりました。今回のテーマは、2027年に没後200年を迎えるベートーヴェンのピアノソナタです。作者は、目の前にある物の形を写すのではなく、音楽から受け取ったイメージを絵画にしています。
制作の軸となるのが、作者が提唱する「木炭書」。木炭を用い、文字の意味や形から浮かんだイメージをまず抽象的な線として表し、最後に絵画へと発展させる方法です。書と絵画の要素を組み合わせ、通常とは逆方向に進むような制作を試みています。
今回の展覧会では、小さなキャンバスを複数並べて一つの作品にする新しい構成にも挑戦。《悲愴》《月光》《ワルトシュタイン》などのソナタを題材に、耳で聴く音楽を視覚表現へ置き換えた作品を紹介します。
開催場所:銀座アートホール 1階B室(東京都中央区)
会期:2026年10月20日(火)〜25日(日)/最終日は16時まで
ここがポイント
音楽は目に見えませんが、旋律の速さや強さから、色や形を想像することはできます。しずまれいは、その感覚を木炭の線から絵画へと発展させています。さらに、小さなキャンバスを並べる構成も、楽章や音の連なりを思わせます。「どんな風景を見て描いたか」ではなく「何を聴いて、どう感じたか」から絵が生まれる点に注目したい展覧会です。
参考:銀座アートホール 公式展覧会案内
2|かわいい絵が生まれる前には何がある?―100%ORANGEのラフや原画を小さな書店で公開
東京・青山の山陽堂書店で10月16日、イラストレーターユニット「100%ORANGE」の作品を紹介する展覧会が始まりました。及川賢治と竹内繭子による100%ORANGEは、絵本、漫画、広告、アニメーションなど、幅広い分野で活動してきた二人組です。
今回は、活動30周年を迎えた100%ORANGEを、雑誌『イラストレーション』が10年ぶりに特集したことを記念する企画。雑誌では、この10年間の仕事を中心に約50ページにわたって紹介しています。
会場には、誌面に掲載された作品の原画やラフ、過去の作品などを展示。完成した印刷物では見えにくい線の表情や、構図を考えた痕跡にも触れられます。さらに会期中の土曜日には、過去のグッズや雑貨を集めた小さな蚤の市も開催。大規模な美術館ではなく、書店の2階という身近な場所で、イラストレーションの世界を紹介します。
開催場所:GALLERY SANYODO/山陽堂書店2階(東京都港区)
会期:2026年10月16日(金)〜31日(土)/日曜休み
ここがポイント
印刷されたイラストは、どの線も最初からその形で存在していたように見えることがあります。しかし原画やラフを見ると、描く前の迷いや、形を選び取っていく過程が見えてきます。今回の展示は、完成した作品を楽しむだけでなく、長年活動してきた二人の表現がどのようにつくられているのかを考える入口になります。絵本やイラストに親しむ人にもおすすめしたい小さな展覧会です。
参考:山陽堂書店 公式展覧会案内
3|服をつくる人たちの「手」を写真に―北島敬三の肖像がファッション空間に登場
東京・表参道で10月15日にオープンしたファッションブランド、アライア(Alaïa)の期間限定スペースに、写真家・北島敬三によるインスタレーション《Index 0》が展示されています。10月19日には、その会場の様子が紹介されました。
アライアは彫刻的な衣服の造形で知られるパリのファッションメゾン。北島が撮影したのは、華やかなショーのモデルではなく、ブランドの制作を支える人々です。大判カメラによる肖像写真などを制作してきた北島は、今回、働く人の手や仕草、仕事に向き合う姿勢を写し取りました。
写真は会場内のパノラマスクリーンに映し出され、来場者を取り囲むように展開します。作品自体は今年3月のパリでのショーで初披露されたもので、今回が東京での公開です。完成した衣服の背後にいる人々を、写真という表現から見つめます。
開催場所:アライア 表参道ポップアップ(東京都港区)
会期:2026年10月15日(木)〜2027年3月31日(水)
ここがポイント
ファッション写真では、完成した服やそれを着たモデルが主役になることが一般的です。しかし北島の作品が捉えるのは、ブランドを支える人々の表情や仕事中の手つきです。一着の服ができるまでには、デザイン、裁断、縫製など、多くの人の技術が重なります。表舞台に出ることの少ない人々を写真の主役にすることで、ものづくりの見え方を変えている点が印象的です。
参考:Tokyo Art Beat(2026年10月19日)
4|料理対決をダンスで表現する!?―弁当屋から始まる異色の舞台『eatBeat』
ダンスエンターテインメント集団「梅棒」が、11月から上演する新作『eatBeat(イートビート)』のメインビジュアルを10月19日に公開しました。今回は料理とダンス、アクションを組み合わせ、舞台上で料理対決を表現するというユニークな作品です。
主人公は、ドラマーとして成功する夢を追い、実家の弁当屋を飛び出した陽太。ところが、亡くなったはずの祖母が思いがけない形で現れ、料理の道へ進むことになります。やがて世界各国の料理人が競う番組に参加し、強敵たちと対決するという物語です。
作・総合演出の伊藤今人は、以前から料理とダンスを組み合わせた作品をつくりたいと考えていたといいます。和食、中華、フレンチ、イタリアンなど、調理方法も特徴も異なる料理を、身体の動きやアクションによって表現することに挑戦します。
開催場所:サンシャイン劇場(東京都豊島区)、ウインクあいち(愛知県名古屋市)、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪府大阪市)
会期:東京11月14〜29日/愛知12月5〜6日/大阪12月11〜13日
ここがポイント
料理を舞台で表現するとき、実際に包丁や鍋を使うだけでは、観客に調理の勢いや美味しさを伝えるのが難しいかもしれません。そこで身体の動きや音楽を使えば、切る、炒める、混ぜるといった動作が、リズムや振付として表現できます。まだ公演前のため、具体的な演出の全貌は分かりませんが、料理という日常的な行為を身体表現へ変える発想に注目したい作品です。
参考:サンライズプロモーション 公式発表(2026年10月19日)
5|街の雑草や排泄までがアートの入口に―都市と自然の関係を10人の作家が表現
東京オペラシティ アートギャラリーで10月17日、展覧会「種と根っこ―都市の耕し方」が開幕しました。10月19日に公開された会場レポートでは、10人のアーティストが、それぞれ異なる方法で都市と自然との関係を表現している様子が紹介されています。
展示の出発点は、「食べる」「着る」「住む」「排泄する」といった身近な営みです。都市には、コンクリートの割れ目から伸びる草や、人工物と共存する生物など、人間が整えた環境の中でも独自の生態系が存在します。
参加するのは浅野友理子、今村文、岩名泰岳、西條茜、鈴木初音、保良雄ら10人。例えば鈴木は《虫になる人》、䑓原蓉子は《根がほしい》という作品を発表しています。現代美術だけでなく、建築やファッションにも視野を広げ、人間も自然の一部であることを改めて考える展覧会です。
開催場所:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区)
会期:2026年10月17日(土)〜12月20日(日)
ここがポイント
自然を題材にした美術というと、美しい花や森林を描いた作品を想像しがちです。しかし、都市に生きる私たちと自然との関係は、それだけではありません。食べ物を消費すること、衣服を着ること、廃棄物を出すことも自然とつながっています。身近な生活から考え始めることで、普段は見えにくい環境との関係が浮かび上がる。自然を美化するだけではない視点が特徴です。
参考:東京オペラシティ アートギャラリー公式案内、Tokyo Art Beat(10月19日)
6|もし手塚治虫が今の大学生だったら?―京都芸大の学生たちが名作を再解釈
兵庫県宝塚市の文化芸術センターで、「iF RE TEZUKA Vol.2」展が開催されています。テーマは「もし、手塚治虫が、私たちと同世代で創作を行っていたら?」。京都市立芸術大学の学生たちが、手塚作品を現代の視点で読み直し、新しい作品として表現する企画です。
手塚プロダクションと京都芸大は、2021年に共同プロジェクト「DESIGN LAB」を発足。漫画家が残した思想や物語を、新しい創作につなげる活動を続けています。
今回の展示では、学生たちが手塚作品の哲学をそれぞれの視点から捉え直し、現代のテクノロジーも取り入れながら二次創作に挑戦しています。手塚の作品を復刻するだけでなく、2026年を生きる若いクリエイターならどのような表現を選ぶのかを考える展示です。会期は10月21日までとなっています。
開催場所:宝塚市立文化芸術センター・ライブラリー(兵庫県宝塚市)
会期:2026年10月8日(木)〜21日(水)/10月20日は開館、最終日は16時まで
ここがポイント
手塚治虫の作品には、生命、科学、人間社会など、時代が変わっても考え続けられるテーマがあります。今回の企画では、その思想を現在の学生が自分たちの表現へ変えていきます。もし手塚がスマートフォンや生成AIのある時代に生まれていたら、どんな漫画や映像をつくったでしょうか。そんな想像を通じて、過去の名作が現代の創作へつながる可能性を感じられる展示です。
参考:手塚治虫公式サイト「虫ん坊」(2026年9月14日発表)
海外のART NEWS
7|美術館の壁に「言葉」が浮かび上がる!―オルセー美術館が光る文字で歴史を描く
フランス・パリのオルセー美術館で10月20日、米国のアーティスト、ジェニー・ホルツァーの展覧会「J’ai vu」が開幕します。ホルツァーは、LED表示装置や建物への文字の投影などを使い、言葉そのものを美術作品にしてきた作家です。
今回は美術館が所蔵する芸術家の手紙や、19世紀から20世紀初頭の文学・政治的文書などを作品へ取り入れます。開幕時期には、セーヌ川側の建物の外壁に文字を投影。館内では色とりどりの文字が流れるLED作品や、文章を刻んだ石のベンチが登場します。
かつて鉄道駅だったオルセー美術館では、人々が行き交う姿と、電子表示装置を流れる文字が重なります。クロード・モネが1884年に書いた手紙など、美術史を伝える資料も、作品の出発点の一つとなっています。
開催場所:オルセー美術館(フランス・パリ)
会期:2026年10月20日(火)〜2027年2月21日(日)
ここがポイント
普通、美術館の文章は作品を説明するためにあります。しかしホルツァーは、その文章自体を作品に変えてしまいます。文字が建物に映し出されたり、光りながら移動したりすれば、読む行為そのものが身体的な体験になります。さらに、かつて駅だった建物の中を言葉が流れることで、過去の人々が残した記録と現在の鑑賞者の時間が交差します。
参考:オルセー美術館 公式展覧会案内
8|沼の水と腐りかけた植物がアニメになる!―自然を「共同制作者」にする映像作家
英国のクリエイティブメディア「It’s Nice That」は10月19日、カナダの実験映像作家ニック・アーサー(Nik Arthur)の制作活動を紹介しました。アーサーが使うのは、羊毛、ヒマワリの花、植物、氷、水、火など、身近な自然の素材です。
映画製作会社A24のために制作した映像では、エミ・タカハシと共同で、カナダ・モントリオールの沼から採取した浮草を使用。水面に浮かぶ植物を動かして、実際の素材によるロゴ映像をつくりました。
アーサーは、素材の性質を完全に制御するのではなく、自然に起こる変化を受け入れながら制作します。太陽光で葉に模様を残したり、氷が溶ける様子を利用したりすることも。植物が思いがけない動きを見せることまで、作品の一部としているのです。
ここがポイント
アニメーションは、描いた絵やCGを思いどおりに動かすものという印象があります。しかし自然の素材を使うと、同じ状態を何度も再現することは困難です。氷は溶け、植物は形を変え、水は予想外の方向へ流れます。アーサーは、それらを失敗として排除するのではなく、表現に取り込んでいます。作者が自然を支配するのではなく、一緒に作品をつくるという発想が魅力です。
参考:It’s Nice That(2026年10月19日掲載)
9|少年たちの30年を描く日本のアニメが受賞!―実写の動きを取り入れた独特の映像表現
スペインで開催された第59回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭で、門脇康平監督の長編アニメーション映画『我々は宇宙人』(英題:We Are Aliens)が、アニメーション部門「Anima’t」の最優秀長編作品賞を受賞しました。結果は10月17日に発表されています。
作品は、平成時代の地方都市で出会った二人の少年が、ある出来事によって離れ、その後の人生を歩んでいく物語です。制作には、実際に撮影した映像を参考に絵を描く「ロトスコープ」という技法も取り入れています。
ただし、単純に実写の輪郭をなぞるわけではありません。ランドセルなど一部だけを参考にしたり、身体の動きの軸だけを利用したりと、場面に応じて描き方を変えています。写実的でありながら、アニメーションならではの表現を追求した作品です。
開催場所:シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭(スペイン・シッチェス)
会期:2026年10月8日(木)〜18日(日)/受賞結果発表は10月17日
ここがポイント
ロトスコープを使うと、人の動きを実写に近づけられます。しかし、現実の動きをそのまま写すだけでは、アニメーション特有の感情表現が弱くなることもあります。門脇監督は、どこを実写に近づけ、どこを絵として変えるかを場面ごとに判断しています。現実らしさと手描きの自由さを組み合わせることで、記憶の中の風景のような映像を生み出している点に注目です。
参考:シッチェス映画祭 公式受賞結果(2026年10月17日)
10|駅員の手作りA4案内は「デザインの失敗」?―シンガポール地下鉄の意外な風景
シンガポールの地下鉄MRTで、駅員が制作した手作りの案内標識が増えていることを、デザインライターのジャスティン・ジュアンが10月19日の「It’s Nice That」で紹介しました。
シンガポールの地下鉄には、統一された色や図形を用いた案内システムがあります。しかし駅によっては、駅員がA4用紙に大きな文字や矢印を印刷し、壁や柱に貼り付けています。洗練された公式の標識とは違い、文字の大きさや配置もまちまちです。
それでも、これらの案内が役立つ場面があります。例えば、公式の路線図には載っていない近隣施設への行き方や、乗り換えで間違えやすい場所など、駅員だからこそ知っている利用者の困りごとに対応しているのです。一見すると統一感を乱す紙の標識も、現場の経験から生まれたデザインと考えられます。
ここがポイント
案内標識のデザインでは、色や文字を統一し、誰もが同じように理解できることが重視されます。しかし、現場には標準化されたシステムだけでは解決できない問題もあります。駅員がつくった少し不格好な紙の案内は、利用者が実際に迷う場所を知っているからこそ生まれたものです。見た目の完成度と、使う人にとっての便利さは、必ずしも同じではないと気づかせてくれます。
参考:It’s Nice That(2026年10月19日掲載)
11|読めない文字なのに、なぜ意味が伝わる?―メタルバンドのロゴから漫画まで集めた「判読不能の辞典」
スイス・チューリヒを拠点とするクリエイティブ集団SourceTypeが、読みにくい文字や記号を集めた『Dictionary of the Illegible』を制作しました。10月19日に公開されたインタビューでは、クリエイティブディレクターのラウレンツ・ブルンナーが、約10年にわたる制作過程を紹介しています。
この辞典に登場するのは、複雑に入り組んだヘヴィメタルバンドのロゴ、漫画の吹き出しに使われる記号、グラフィティ、インターネット上の暗号的な表現などです。漫画で怒鳴り声の代わりに並ぶ「#%&!」のような記号は、言葉が読めなくても感情を伝えられます。
ブルンナーは16世紀の版画から現代のポップカルチャーまで幅広く例を収集。読めないものをあえてアルファベット順の辞典にまとめるという、逆説的な構成を採用しています。
ここがポイント
文字は、はっきり読めることが大切だと思われがちです。しかし、メタルバンドのロゴは読みにくいからこそ激しい音楽の雰囲気を伝え、漫画の記号は言葉を書かずに感情を表します。つまり、文字には情報を正確に伝える以外の役割もあるのです。読みにくさや曖昧さを、失敗ではなく表現の方法として捉え直すところに、この辞典の面白さがあります。
参考:It’s Nice That(2026年10月19日掲載)
12|古代エジプトにも「美のルール」があった?―化粧道具と身体装飾で4つの文化を比較
米国テキサス州のサンアントニオ美術館は、古代の美容と身体装飾をテーマにした展覧会「Ancient Beauty and Body Art from Four Continents」を、11月21日から開催します。10月19日に発表されたこの企画では、地域も時代も異なる4つの文化の「美しさ」に注目します。
取り上げるのは古代エジプト、ローマ、マヤ、中国・唐代。化粧や香水、髪の装飾、身体への穴開けや入れ墨など、人々が自分の外見をどのように整えていたのかを紹介します。
展示には、動物の形をした古代エジプトの化粧皿や、唐代の女性像、マヤの装身具などが登場。美術作品だけでなく、実際に身につけたり使用したりした道具も並びます。外見を整える行為が、富、身分、性別、年齢などの社会的な意味とも結びついていたことを考える展覧会です。
開催場所:サンアントニオ美術館(米国テキサス州)
会期:2026年11月21日(土)〜2027年11月28日(日)
ここがポイント
化粧やファッションは現代だけの文化ではありません。古代の人々も、髪を整え、色を塗り、装身具を身につけることで、自分がどんな人物なのかを周囲に伝えていました。しかも、美しいと考えられる姿は地域や時代によって異なります。現在の美容の常識も、遠い未来から見れば不思議に映るかもしれません。古代の道具を通して、美しさが社会によってつくられることを考えられる展示です。
参考:サンアントニオ美術館 公式展覧会案内
まとめ
今回は、身近なものを別の視点から見直すことで、新しい表現が生まれるニュースが集まりました。
東京では、ベートーヴェンのピアノソナタを木炭の線と絵画に置き換える作家が、目に見えない音の表現に挑んでいます。100%ORANGEの原画展では、完成したイラストの背後にある制作過程を知ることができます。さらに、料理をダンスで表現する舞台や、手塚治虫の作品を現代の学生が読み直す企画にも、表現の境界を越える面白さがあります。
海外では、沼の水や植物をアニメーションに使う作家が登場しました。シンガポールの地下鉄に貼られた手作り標識も、現場の経験から生まれたデザインです。読めない文字を集めた辞典は、文字が必ずしも読めなくても意味を伝えられることを教えてくれます。
そしてオルセー美術館では、過去の記録が光る文字となって建物や空間を巡ります。古代の化粧道具を集めた展覧会も、私たちの美意識が決して普遍的ではないことを示しています。
絵画や彫刻だけでなく、音楽、文字、身体、植物、日用品まで。創作の入口は、思いがけないところに広がっています。
