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最新ART NEWS 13選【2026年10月13日】|+び。STATION

美術館や展覧会のニュースだけでなく、作品の返還や文化財研究、音楽と美術の新たな表現、絵本イラストの世界までを網羅!

+び。STATIONでは、国内外で起きているアートの動きから、気になるニュースをピックアップ。2026年10月13日は、国内5本・海外8本の計13本をお届けします。

「何が起きたのか」だけでなく、どこが面白いのか、なぜ注目したいのかも一緒に見ていきましょう。

国内のART NEWS

1|国宝《伴大納言絵巻》が10年ぶりに全巻公開へ―出光美術館60周年記念展

出光美術館の開館60周年を記念する展覧会「藝大でみる珠玉の出光コレクション」が、2027年3月27日から東京藝術大学大学美術館で開催されます。

最大の見どころは、国宝《伴大納言絵巻》の10年ぶりとなる全巻公開です。平安時代末期に制作されたと考えられるこの絵巻は、866年に起きた応天門の放火事件を題材に、貴族社会の陰謀や人々の姿を描いています。

登場人物の表情や群衆の動き、場面から場面への移り変わりが巧みに構成され、日本の絵巻物を代表する作品の一つです。

展覧会では、この絵巻に加えて出光コレクションの形成史を物語る日本・東洋美術の名品も紹介されます。1966年の開館から60年を迎えた美術館の歩みを、作品を通じて振り返る機会です。

開催場所:東京藝術大学大学美術館 本館(東京都台東区)
会期:2027年3月27日(土)〜5月23日(日)

ここがポイント

絵巻物には映画のような画面の切り替えがあります。ただし、画面が自動的に動くわけではありません。鑑賞者が巻物を少しずつ広げることで、物語の時間が進んでいきます。

《伴大納言絵巻》は人物の感情を表情や身ぶりで伝える点でも見事です。平安時代の絵画を「古い記録」としてだけでなく、物語を視覚化する洗練された表現として楽しめます。

参考:東京藝術大学大学美術館 公式展覧会案内

東京藝術大学大学美術館の公式サイト →

2|運慶作と推定される二体の大日如来像が一堂に―足利・樺崎寺の歴史に迫る

東京都千代田区の半蔵門ミュージアムで、10月24日から特別展「足利樺崎寺と運慶 ―二体の大日如来像―」が開催されます。

展示の中心となるのは、ともに運慶作と推定される二体の大日如来坐像です。一体は半蔵門ミュージアム所蔵の重要文化財、もう一体は光得寺が所蔵しています。

これらの仏像は、現在の栃木県足利市に存在した樺崎寺との関わりが考えられています。樺崎寺は鎌倉時代初期の足利氏にゆかりを持つ寺院で、武家の信仰や地域の歴史を考えるうえでも重要です。

展覧会では仏像だけでなく寺に関係する資料も紹介し、鎌倉時代の仏師たちの活動や、寺院が果たしていた役割を探ります。入場無料で開催される予定です。

開催場所:半蔵門ミュージアム(東京都千代田区)
会期:2026年10月24日(土)〜12月20日(日)

ここがポイント

運慶は鎌倉時代を代表する仏師ですが、すべての作品に作者の名前が残されているわけではありません。そのため、作風や制作年代、伝来の記録などを照らし合わせて作者を考えます。

今回の二体も「運慶作と推定される」という段階です。二体を並べて見ることは、造形の共通点や違いだけでなく、失われた寺院の歴史を考える手がかりにもなります。

参考:半蔵門ミュージアム 公式展覧会案内

半蔵門ミュージアムの公式サイト →

3|音を絵に変えるのではない―池内ヨシカツの新作展、京都で開幕

京都市京セラ美術館で本日10月13日、「Liminal – 池内ヨシカツ展」が開幕します。

池内ヨシカツは、作曲家と美術家の両方の活動を続けてきた表現者です。本展では油彩画20点、ドローイング3点、彫刻3点、サウンドインスタレーションを展示します。

テーマとなるのは、絵画と音楽という異なる表現のあいだに存在する隔たりです。色をそのまま音に置き換えるのではなく、見ることと聴くことがどのように関係し、どこですれ違うのかを探ります。

制作の背景には、作家自身の聴覚の変化や身体の内側で生じる音への関心もあります。作品と音響に加え、会場に差し込む光の移ろいも展示体験の一部として構成されています。

開催場所:京都市京セラ美術館 本館1階「光の広間」(京都府京都市)
会期:2026年10月13日(火)〜25日(日)

ここがポイント

音楽は時間とともに流れていきますが、絵画は同じ場所にとどまり続けます。この違いを単純に埋めるのではなく、異なる表現として受け止めることが本展の出発点です。

「Liminal」は境界や移行の状態に関わる言葉。絵を見ながら音を聴くとき、二つの感覚が完全に一致しなくても、新しい鑑賞体験は生まれるのでしょうか。

参考:京都市京セラ美術館 公式展覧会案内

京都市京セラ美術館の公式サイト →

4|大手町のビル外壁が巨大な作品に―小林健太《Vector Débris》を公開へ

東京・大手町で、都市空間を展示会場として活用する「YAU WEEKS」の新たなプログラムが始まります。

注目は10月14日から東京サンケイビルの外壁に掲出される、小林健太の《Vector Débris》です。全長約15メートルの作品を通して、都市環境と現代社会の美意識の関係を探ります。

この展示は、街の壁を美術館の展示壁のように捉える「YAU WALL」シリーズの第2弾。企画には写真を軸に都市を研究するTOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCHが関わっています。

期間中には、街なかでの屋外展示や、参加者が自分の映像作品を持ち寄って上映するイベントなども展開予定です。通勤や散歩の途中で、思いがけず作品に出会う機会をつくります。

開催場所:東京サンケイビル外壁(東京都千代田区大手町)
会期:2026年10月14日(水)〜2027年3月末予定

ここがポイント

美術館の展示室では、鑑賞者は作品を見るつもりで会場に入ります。一方、街なかのアートは、偶然通りかかった人にも開かれています。

建物の大きさ、広告や看板、歩く人の視線までが作品の見え方に影響するのが、都市を使った展示の面白さです。

写真やデジタル表現が建築物と出会うことで、いつもの風景が少し違って見えるかもしれません。

参考:有楽町アートアーバニズム実行委員会 公式発表

有楽町アートアーバニズム実行委員会の公式発表 →

5|中世の石碑はなぜ一か所に集められた?―多摩ニュータウン遺跡の謎を展示

東京都埋蔵文化財センターで10月27日から、東京文化財ウィーク2026の特別展示「多摩ニュータウン遺跡群の板碑集積」が開催されます。

「板碑(いたび)」とは、主に中世に死者の供養などを目的として建てられた石の記念碑です。関東地方で盛んに造られ、当時の人々の信仰や生活を知る手がかりになっています。

東京都稲城市の多摩ニュータウンNo.513遺跡では、多数の板碑がまとまった状態で出土しました。もともと別の場所に建てられていたものが、ある時期に集められたと考えられています。

しかし、誰が何のために集めたのかは、まだ明らかになっていません。今回の展示は出土品を通して、中世の人々が死者や祈りとどう向き合っていたのかを考える企画です。

開催場所:東京都立埋蔵文化財調査センター(東京都多摩市)
会期:2026年10月27日(火)〜11月23日(月・祝)

ここがポイント

板碑には、死者の冥福を祈る「追善供養」や、生きている間に自分の死後のための供養を行う「逆修」のために造られたものがあります。

石に刻まれた文字や仏教的な図像は、地域の信仰を知る貴重な資料です。

今回の謎は、石碑そのものだけでなく、その集められ方にあります。出土した場所や配置も、歴史を読み解く重要な証拠になるのです。

参考:東京都埋蔵文化財センター 公式案内

東京都埋蔵文化財センターの公式サイト →

海外のART NEWS

6|【続報】盗まれたルノワール2点の捜査が進展―DNAで容疑者を特定、作品に損傷も

フランス南部カーニュ=シュル=メールのルノワール美術館から盗まれた絵画2点について、10月12日、新たな捜査情報が公表されました。

回収されたのは《マダム・コロンナ・ロマーノの肖像》と《井戸の若い女》。9月8日の盗難事件に関して、男性4人が組織的な窃盗や盗品隠匿などに関わる容疑で予備的な訴追を受けています。

捜査では、犯行現場に残された絵画保護用カバーから採取されたDNAと、車両の追跡記録が重要な手がかりになりました。

また、作品の状態も明らかになっています。《マダム・コロンナ・ロマーノの肖像》には画面の破れがあり、《井戸の若い女》には額縁の軽微な損傷が確認されました。2点の評価額は合計約420万ユーロとされています。

関連記事|10月10日号「盗まれたルノワールの絵画2点が見つかる」

ここがポイント

10月10日号では作品の回収と6人の逮捕を紹介しました。今回の新情報は、容疑者の特定方法と、回収後の作品の状態です。

盗まれた美術品は戻ってきても、それで事件が完全に終わるわけではありません。損傷の調査や修復、保管体制の見直しも必要になります。

作品の価値には市場価格だけでなく、文化財として安全に次世代へ残す責任も含まれています。

参考:AP通信、2026年10月12日報道

AP通信の記事 →

7|奴隷として生きた陶芸家の作品を子孫へ返還―米美術館が所有権を移転

米国のミルウォーキー美術館が、19世紀の陶芸家デイヴィッド・ドレイクによる陶器2点の所有権を、作家の子孫へ移転したことを発表しました。

「デイヴ・ザ・ポッター」としても知られるドレイクは、人生の大半を奴隷として過ごしながら、大型の陶器を制作し、作品に自らの言葉や詩を刻んだ人物です。

今回の合意では、1855年制作の署名入り作品を美術館が子孫の信託団体から新たに取得。もう一つの作品は子孫が所有者となり、美術館が長期借用して展示を続けます。

作品を単に美術館が保有するのではなく、制作当時の不平等な社会制度を考慮し、子孫の権利を認めた点が重要です。2点は9月30日から館内で鑑賞できるようになっています。

ここがポイント

美術館が作品を持っていることと、その所有が歴史的に公正であることは、必ずしも同じではありません。

奴隷制度のもとでドレイクは自分の作品を自由に所有したり、利益を得たりできませんでした。

今回の返還は、作品を制作した人が置かれていた状況まで含めて来歴を見直す試みです。美術品の「誰が作ったか」と「誰が所有するか」を改めて考えさせます。

参考:Milwaukee Art Museum 公式発表

ミルウォーキー美術館の公式サイト →

8|印象派を世界へ広めたのは誰だった?―モネ、モリゾ、ルノワールの人間関係に注目

ドイツのポツダムにあるバルベリーニ美術館で、11月7日から「The Impressionists: Monet, Morisot, Renoir, and Their Network」が開催されます。

本展は、モネやモリゾ、ルノワールらの作品だけでなく、彼らの活動を支えた人間関係に注目する展覧会です。

19世紀後半、印象派の画家たちは既存の美術制度に挑みながら、新しい表現を追求しました。しかし、その作品が広く知られるようになった背景には、批評家、画商、収集家らの存在がありました。

作家を支援した文筆家エミール・ゾラや、作品を購入した収集家たち、パリとニューヨークで展開した画商デュラン=リュエルの活動などを通して、印象派が国際的な美術運動へ発展した道筋をたどります。

開催場所:バルベリーニ美術館(ドイツ・ポツダム)
会期:2026年11月7日(土)〜2027年2月21日(日)

関連記事|クロード・モネの生涯|家族と暮らしから読み解く《印象・日の出》から《睡蓮》まで

関連記事|【印象派入門】光の絵画が生まれた背景と特徴とは?代表画家と名作でわかる入門ガイド・前編

ここがポイント

今日では世界中で人気のある印象派ですが、活動当初から広く歓迎されていたわけではありません。

新しい絵画を理解し、紹介し、購入してくれる人々の存在が、画家たちの活動を支えていました。

この展覧会では「誰が描いたか」だけでなく、「誰がその価値を見いだしたか」にも注目します。美術史は作品と作家だけでは成り立たないことが見えてきます。

参考:Museum Barberini 公式展覧会案内

バルベリーニ美術館の公式サイト →

9|地震データから花が咲く?―ネバダ美術館で変化し続けるデジタルアート

米国ネバダ州のネバダ美術館で、10月10日から《ReBloom: Reno》の展示が始まりました。

制作したのはアーティストのケン・ゴールドバーグと共同制作者たちです。作品にはネバダ大学リノ校の地震計が記録するリアルタイムのデータが使われ、地面の絶え間ない動きが、花畑を思わせる色彩豊かな円形の映像へと変換されます。

映像の色彩は、ネバダ美術館が所蔵する5点の風景画から着想を得ています。過去に画家が捉えた土地の姿と、現在進行形で計測される地球の動きが、一つの作品の中で出会う構成です。

同じ状態が二度と続かないこの作品は、自然の変化や人間が知覚できない環境の動きを、視覚的に感じさせます。

開催場所:ネバダ美術館(米国・リノ)
会期:2026年10月10日(土)〜2027年2月7日(日)

ここがポイント

地面は静止しているように見えても、微細な振動を続けています。地震計が記録するデータは数値として読み取れますが、そのままでは多くの人にとって実感しにくいものです。

《ReBloom: Reno》は、そうした情報を花のような映像へ変換します。

地震を予測する装置ではなく、科学的なデータを通して普段見えない自然の活動に気づかせる作品です。

参考:Nevada Museum of Art 公式展覧会案内

ネバダ美術館の公式サイト →

10|巨大な楽器が美術館を変える―テート・モダンでタレク・アトゥイの新作公開

ロンドンのテート・モダンで10月13日、レバノン出身の作家・作曲家タレク・アトゥイによる大型インスタレーション《Hold》が公開されます。

かつて発電所だった建物の巨大なタービン・ホールに、特注の管楽器や打楽器、電子機器、彫刻的な装置を配置し、空間そのものを一つの演奏の場へと変える作品です。美術館とヒョンデ自動車による大型作品委嘱企画「Hyundai Commission」の第11回として制作されました。

会場内のマイクは楽器や周囲の音を拾い、専用ソフトウェアが加工して再生。音の重なりは常に変化し、期間中には音楽家たちによる演奏も予定されています。

アトゥイは長年、楽器職人や音楽家、研究者たちと協働し、音を耳で聴くだけでなく、身体で感じる表現にも取り組んできました。彫刻と音楽が一体となり、時間とともに変化する作品です。

開催場所:テート・モダン タービン・ホール(英国・ロンドン)
会期:2026年10月13日(火)〜2027年4月11日(日)

関連記事|【番外編】美術絵画からインスタレーションまで主要潮流をやさしく整理|大人のための現代アート入門【戦後・現代編】

ここがポイント

音を使った現代美術は「サウンドアート」と呼ばれ、音楽の演奏だけでなく、空間の響きや振動、聴く人の身体感覚も表現の一部に取り込みます。

アトゥイの作品では、楽器そのものが彫刻になり、美術館の建築も音を生み出す環境になります。

京都で同日開幕する池内ヨシカツ展と比較すると、音楽と美術を結ぶ方法が一つではないことが見えてきます。

参考:Hyundai Motor・Tate 公式共同発表(2026年10月12日)

Hyundai Motor・Tateの公式発表 →

11|ネット上の写真から新しい人物像をつくる―フリーダ・オルパボの個展が開幕

デンマークのクンステン現代美術館で、10月8日からフリーダ・オルパボの個展「Get close enough and you can’t see」が始まりました。

ノルウェーを拠点に活動するオルパボは、インターネットや古い写真資料などから画像を集め、それらを組み合わせて新しい人物像を制作するアーティストです。

素材には大衆文化の画像だけでなく、植民地時代にさかのぼる写真や歴史資料も含まれます。社会の中で誰が記録され、誰の姿が見えなくされてきたのかを問いかける表現です。

もともと社会学を学んだオルパボは、2013年からデジタルコラージュを制作し、Instagramで発表してきました。今回の展覧会はデンマークで初めての個展で、美術館の建築空間に合わせて構成されています。

開催場所:クンステン現代美術館(デンマーク・オールボー)
会期:2026年10月8日(木)〜2027年5月9日(日)

ここがポイント

コラージュは、異なる画像や素材を組み合わせて新しい画面をつくる技法です。

オルパボの作品では、古い写真やインターネットで見つけた画像が、別の身体や人物像として組み直されます。

私たちが何気なく見る写真も、撮影した人の視点や時代の価値観から自由ではありません。画像を切り離して再構成することで、その背景を問い直すことができます。

参考:Kunsten Museum of Modern Art 公式展覧会案内

クンステン現代美術館の公式サイト →

12|戦後日本の女性美術家39人を再評価―ルクセンブルクで「Kaihō」展

ルクセンブルクの現代美術館Mudamで、戦後日本の女性美術家を紹介する「Kaihō: Japanese Women Artists after 1945」が開催されています。

展覧会では39人の作家による120点以上の作品を、5つのテーマに分けて紹介。絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなどを通して、第二次世界大戦後から20世紀末にかけての創作活動を振り返ります。

日本の戦後美術では、具体美術協会やフルクサスなどの前衛的な活動が注目されてきました。しかし、その歴史を語るとき、女性作家たちの貢献が十分に紹介されてきたとは限りません。

本展は、そうした作家たちの仕事を国際的な美術の動きと結びつけて捉え直す試みです。日本国外でほとんど展示されてこなかった作品も含まれています。

開催場所:Mudam Luxembourg(ルクセンブルク)
会期:2026年9月25日(金)〜2027年2月14日(日)

ここがポイント

美術史は、過去の出来事をそのまま並べた記録ではありません。どの作家や作品に注目するかによって、その見え方は変わります。

今回の展覧会は、戦後日本の美術を女性作家の活動から見直す企画です。

日本の作品が海外でどのように紹介されるのかを見ることは、私たち自身が日本美術の歴史を考え直すきっかけにもなります。

参考:Mudam Luxembourg 公式展覧会案内

Mudam Luxembourgの公式サイト →

13|絵本イラスト約200点がニューヨークに集結―「The Original Art」第46回展

米国ニューヨークのSociety of Illustratorsで、10月31日から児童書のイラストレーションを紹介する「The Original Art」第46回展が開催されます。

米国で出版された児童書の優れたイラストを紹介する恒例の企画で、今回は800件を超える応募から選ばれた約200点を展示。絵本の原画を通して、物語を視覚的に伝える表現の豊かさに迫ります。

「The Original Art」は1980年に始まり、1990年からSociety of Illustratorsを拠点として発展してきました。作家や編集者、アートディレクターらが審査を行い、優れた作品に金賞・銀賞などを授与します。

今年はミカ・アーチャーが金賞を受賞。ベテランの作家から新しい才能まで、多様な作風が一堂に会します。印刷された絵本のページだけでなく、原画そのものを鑑賞できる貴重な機会です。

開催場所:Society of Illustrators 1階ギャラリー(米国・ニューヨーク)
会期:2026年10月31日(土)〜2027年1月30日(土)

関連記事|10月7日号|世界最大規模の絵本原画コンクールBIB、日本巡回展

ここがポイント

絵本の挿絵は、単に文章の内容を説明するためのものではありません。人物の気持ちや物語の雰囲気を伝え、ときには文章に書かれていない出来事まで想像させます。

また、原画では絵具の重なりや紙の質感、線の強弱など、印刷された本とは異なる表情が見えてきます。

絵本を一つの視覚芸術として捉え、その表現を評価する活動が長年続いていることにも注目したい展覧会です。

参考:Society of Illustrators 公式展覧会案内

Society of Illustratorsの公式サイト →

まとめ

きょうのニュースでは、作品の歴史を見直す動きとともに、美術の表現がさまざまな分野へ広がっていることが印象的でした。

米国での陶芸作品の返還や、戦後日本の女性美術家39人を紹介する展覧会は、これまで十分に語られてこなかった人々の仕事や権利に光を当てています。ルノワールの盗難事件の続報も、美術品を守り、次の世代へ伝える責任を改めて考えさせます。

一方、音楽と美術の境界を越える表現も、国内外で存在感を見せています。京都の池内ヨシカツ展は「見ること」と「聴くこと」の関係を問い、ロンドンのタレク・アトゥイは巨大な楽器や彫刻で、音を身体全体で感じる空間を生み出しました。絵画や彫刻だけにとどまらない美術の面白さを伝える、興味深い二つの取り組みです。

また、ニューヨークの絵本イラスト展は、身近な児童書にも豊かな芸術表現が息づいていることを教えてくれます。

国宝の絵巻からデジタルアート、音楽、絵本まで。時代やジャンルの違いを越えて作品を見比べると、美術を楽しむ新しい入口が見つかるかもしれません。