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最新ART NEWS 12選【2026年10月23日】|+び。STATION

美術館や展覧会のニュースだけでなく、ホラー、漫画、切り絵、版画、写真、ファッション、実験的な彫刻や空間デザインまでを網羅!

+び。STATIONでは、国内外で起きているアートの動きから、気になるニュースをピックアップ。2026年10月23日は、国内5本・海外7本の計12本をお届けします。

「何が起きたのか」だけでなく、どこが面白いのか、なぜ注目したいのかも一緒に見ていきましょう。

国内のART NEWS

1|雨穴の「変な世界」が現実に!―小説や動画の中の不気味な風景を歩く展覧会が本日開幕

東京・天王洲の寺田倉庫で10月23日、ホラー作家・雨穴による初の大規模展覧会『雨穴の変な世界展。』が開幕します。小説やYouTube動画などで描かれてきた奇妙な世界を、実際に歩いて体験できる企画です。

約1,370平方メートルの会場には、『変な家』『変な絵』『変な地図』などの作品に登場する場所や物が立体的に再現されます。入り口には不思議な町並みが広がり、その先には「雨穴の家」が登場。画面越しに見ていた空間へ入り込む仕掛けです。

制作には雨穴本人のほか、Webメディア「オモコロ」を運営するバーグハンバーグバーグ、体験型ホラーを手がける株式会社闇が参加。会場後半には、この展覧会のためにつくられた新しいエリアも用意されています。

開催場所:寺田倉庫 G1ビル5階(東京都品川区)
会期:2026年10月23日(金)〜2027年1月17日(日)

ここがポイント

雨穴の作品では、間取り図や何気ない絵、日常の風景に潜む違和感が物語の入口になります。今回は、その違和感を平面の図や文章ではなく、実際の空間として体験できます。文章を読む順番が物語を動かすように、展示室を歩く順番や視線の向きによっても印象が変わるはずです。ホラーを単に怖がらせる演出としてではなく、空間デザインや物語表現として見ると、別の面白さが見えてきます。

参考:株式会社闇「雨穴の“変な世界”が現実に!」公式発表(2026年10月5日)

雨穴の変な世界展・公式発表 →

2|北斎が現代の東京を歩いたら?―江戸の風景と今の両国を重ねる緻密な切り絵

長野県小布施町の「ガラリShowcase」で10月22日、切り絵作家・斉藤洋樹の個展「いつか歩いた道」が始まりました。今回は葛飾北斎の風景画を手がかりに、江戸と現代の景色を結びつけた新作などを紹介しています。

斉藤は実際に東京・両国を歩き、北斎が現在の街を見たら何を描くだろうかと想像しました。新作《足音を感じて》では、川や橋の表現に《江戸両国橋夕涼花火之図》、空の表現に《富嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見》から着想を得ています。

制作方法も独特です。黒い紙を細かく切り抜き、その裏から自分で色を染めた紙を貼り重ねます。水面には北斎も用いた「ベロ藍」の青を取り入れ、遠くの建物には墨の濃淡を生かしています。

開催場所:ガラリShowcase(長野県上高井郡小布施町)
会期:2026年10月22日(木)〜11月3日(火・祝)/水曜定休

ここがポイント

一見すると絵筆で描いた風景のようですが、輪郭の多くは紙を切り抜くことで生まれています。描き足すのではなく、紙を取り除いて形をつくるという点が、絵画とは大きく異なります。さらに、斉藤は北斎の構図をそのまま複製するのではなく、自分が歩いた現代の風景へ組み込みました。200年以上離れた作家同士が、同じ土地の日常を見つめる。そんな時間を越えた共同制作のようにも感じられます。

参考:一般財団法人北斎館「斉藤洋樹個展『いつか歩いた道』」公式発表(2026年10月14日)

北斎館の公式発表 →

3|版画だけで約480点、別室には「ペイン天狗」―豊田市美術館で対照的な2展が開幕へ

愛知県の豊田市美術館で10月24日、「没後20年 井田照一展」と「長谷川 繁 ペイン天狗」が同時に始まります。10月23日には一般向け内覧会も予定されています。

井田照一は、1960年代から実験的な版画を発表してきた作家です。展覧会では版画だけでなく油彩、水彩、立体作品など約480点を紹介。なかでも、作家の分身ともいえる《Tantra》シリーズ全401点をまとめて展示することが見どころです。

一方、長谷川繁は、限られたモチーフや色を繰り返し使いながら、ユーモアと悲哀が同居する絵画を描いてきました。こちらは新旧の作品約120点が並びます。

膨大な表現の実験をたどる井田と、少ない要素を深く掘り下げる長谷川。異なる方向から絵画の可能性を見る企画です。

開催場所:豊田市美術館(愛知県豊田市)
会期:2026年10月24日(土)〜2027年1月24日(日)/両展共通

ここがポイント

多くの技法や素材を試し続けることと、同じモチーフを描き続けること。一見すると正反対ですが、どちらも表現の可能性を深める方法です。井田の《Tantra》401点をまとめて見ると、一つの主題が長い制作の中でどう変化したかを追えます。一方、長谷川の作品では、限られた色や形から生まれる違いが重要です。作品数の多さだけではなく、画家が何を繰り返し、何を変えてきたのかに注目したい展示です。

参考:豊田市「没後20年 井田照一展」「長谷川 繁 ペイン天狗」報道発表(2026年10月16日)

豊田市の公式発表 →

4|子どもの描いた線をプロが作品に―仙台で「原画から完成作へ」をたどる展覧会

宮城県仙台市で10月22日、アートプロジェクト「ONEART」の展覧会「ONEART SENDAI 2026」が始まりました。障がいのある子どもたちが描いた絵を、プロのアーティストが受け取り、一つの作品へ仕上げる取り組みです。

今回は子どもたちによる原画と、アーティストとの共同制作から生まれた作品を紹介。公式発表では《見えてるにゃん》《ある夏》などの完成作が示されています。

ONEARTは2016年に始まり、これまでに40人以上のアーティストとの共同制作を実現してきました。作品は展示するだけでなく、企業や個人への貸し出し・販売も行い、収益の一部を参加した子どもたちの家庭へ奨学金として還元しています。

子どもの表現を出発点に、制作、展示、社会とのつながりまでを考える企画です。

開催場所:ネオブレイクスルー6階(宮城県仙台市青葉区)
会期:2026年10月22日(木)〜25日(日)/各日13:00〜18:00

ここがポイント

子どもの絵を大人が整えるだけなら、元の自由な表現が失われてしまう可能性もあります。ONEARTで注目したいのは、最初に描かれた線や形が、アーティストとの関わりによってどのように発展したかという点です。原画と完成作を見比べれば、どちらの発想がどこに残っているのかを考えられます。制作する人の年齢や障がいの有無ではなく、絵そのものの面白さから出発する取り組みです。

参考:一般財団法人ゆめいく「ONEART SENDAI 2026」公式発表(2026年10月7日)

ONEART SENDAIの公式発表 →

5|『ポーの一族』の世界に本物の洋館が重なる―萩尾望都の漫画原画約220点を京都で公開へ

京都府のアサヒグループ大山崎山荘美術館で12月19日から、開館30周年記念「萩尾望都展 ―欧州への憧憬」が開催されます。10月19日に展覧会の詳細が発表されました。

展示の中心となるのは、『ポーの一族』『トーマの心臓』など、ヨーロッパを舞台にした漫画の原画です。約220点を通じて、萩尾が描いてきた人物、建物、衣服、風景の表現を紹介します。

萩尾は1972年に初めてヨーロッパを訪れ、翌年には約半年間イギリスへ滞在しました。海外の文学や映画への関心と、実際に見た風景が作品世界に影響を与えています。

会場は英国のチューダー・ゴシック様式を取り入れた、築100年以上の洋館。同時期には「没後100年 クロード・モネ展」も開催されます。

開催場所:アサヒグループ大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町)
会期:2026年12月19日(土)〜2027年4月11日(日)

ここがポイント

漫画の背景は、物語の舞台を説明するだけのものではありません。古い屋敷の階段、窓の形、装飾的な衣服などによって、登場人物の暮らす時代や感情まで伝わってきます。今回は、そうしたヨーロッパの空気をまとった原画を、実際の洋館で見ることができます。紙の中に描かれた建築と、目の前にある建築を行き来するような体験です。漫画を線画だけでなく、空間をつくる表現として見る機会になりそうです。

参考:アサヒグループ大山崎山荘美術館「萩尾望都展 ―欧州への憧憬」公式発表(2026年10月19日)

萩尾望都展の公式発表 →

海外のART NEWS

6|禁酒を続けた時間が、落ちそうなコインになる―2026年マルセル・デュシャン賞が昨夜決定

フランスの現代美術賞「マルセル・デュシャン賞」の2026年受賞者が、現地時間10月22日夜に発表されました。選ばれたのは、ベルギー出身のダヴィッド・ブロニョンとルクセンブルク出身のステファニー・ロランによる作家デュオです。

今回の作品では、ゲームセンターなどにあるコイン落とし機を使用。ただし機械に入っているのは硬貨ではなく、依存症からの回復を支える団体が、飲酒などを控え続けた期間に応じて渡す記念メダルです。

作品名には、5,376年、1,892か月、1,110日、1,201時間という時間の単位が並びます。さらに、回復の途上にある人物が遠隔操作で会場の照明を変え、その日の感情を展示空間へ反映させる仕組みもあります。

開催場所:パリ市立近代美術館(フランス・パリ)
会期:2026年10月2日(金)〜2027年2月7日(日)/候補作家展

ここがポイント

コイン落とし機では、メダルが端へ近づくほど、落ちる瞬間が気になります。しかし今回のメダルが表すのは、誰かが積み重ねてきた回復の時間です。ゲームの仕組みと個人的な経験が重なることで、同じ動きが別の意味を持ち始めます。回復の過程を、単純な成功や失敗ではなく、時間の積み重ねとして表現している点が印象的です。受賞発表は日本時間では23日未明にあたります。

参考:Le Monde「Brognon and Rollin duo win 2026 Marcel Duchamp contemporary art prize」(2026年10月22日)

Le Mondeの受賞報道 →

7|川久保玲の雑誌が立体になった!―服をほとんど載せない『SIX』の世界をロンドンで展示

英国ロンドンのDover Street Marketで、コム デ ギャルソンによる出版物『SIX』をテーマにしたインスタレーションが公開されています。10月19日に、その展示の詳細が紹介されました。

『SIX』は1988年に始まった、写真を中心とするビジュアル誌です。ブランドの服を紹介する通常のファッション誌とは異なり、建築、デザイン、映画、写真などを横断する内容で知られています。

これまでの誌面には、ロバート・フランク、アンドレ・ケルテス、ピーター・リンドバーグ、ジャン・コクトーらの仕事も登場。今回の展示では、新号の発表に合わせ、川久保玲が構成したイメージを店舗のウインドーや1階に立体的に展開しています。

ページをめくる体験を、空間の中を移動する体験へ変える試みです。

開催場所:Dover Street Market London(英国ロンドン)
会期:2026年10月の展示開始から約1か月間/正確な終了日は未確認

ここがポイント

ファッションブランドの雑誌なのに、ブランドの服がほとんど登場しない。それだけでも『SIX』は少し変わった出版物です。川久保玲が重視しているのは、服そのものよりも、服を生み出す感性や視覚文化なのかもしれません。さらに今回は、印刷物だった写真や図版を立体的な空間へ移しました。隣り合う写真の関係や、大きさによる印象の変化にも注目です。雑誌を読む行為そのものを再構成した展示といえます。

参考:Wallpaper*「A Comme des Garçons exhibition is beautifully chaotic at Dover Street Market」(2026年10月19日)

Wallpaper*の展示紹介記事 →

8|手は「頭より先に」知っている?―元たばこ工場で、身体に残る技術を23組が表現

オランダ・フローニンゲンの元たばこ工場で、展覧会「Thinking Hands」が開催されています。写真文化団体Noorderlichtが新たに展開する展示空間「Thea」の企画で、23人・組の作家が参加しています。

テーマは、言葉や数値に置き換えにくい身体の知識です。陶芸家が粘土の抵抗を指先で感じたり、職人が道具の重さから作業を調整したりする経験を、写真や映像から考えます。

キキ・マーガーの映像作品《5000times》では、中国・深圳の電子機器製造現場を題材に、同じ作業を繰り返す手の動きをアニメーションで再構成。クース・ブリューケルの写真は、暗室作業で薬品の跡が付いた写真家サリー・マンの手を写します。

目に見える成果だけでなく、それを生み出す身体に注目した展示です。

開催場所:Niemeyer/Thea(オランダ・フローニンゲン)
会期:2026年9月12日(土)〜11月1日(日)

ここがポイント

説明書を読んだだけでは、陶芸や楽器の演奏がすぐに上達するわけではありません。何度も繰り返すうちに、指先や身体が動きを覚えていきます。今回の展覧会は、そうした知識がAIやデジタル技術によって簡単に置き換えられるのかを問いかけます。また、普段は製品の背後に隠れている労働者の手にも光を当てています。便利な技術が増える時代だからこそ、身体でつくることの意味を考えさせる企画です。

参考:Noorderlicht「Thinking Hands」公式展覧会案内、Wallpaper*(2026年10月20日)

Noorderlichtの公式展覧会ページ →

9|建物の外壁を馬の毛が12メートル上る!―ロンドンの画廊に現れた黒い「生き物」

英国ロンドンのAnnely Juda Fine Artで、彫刻家ニコラ・ターナーの個展「I Tear Secrets From Your Yielding Flesh」が開催されています。

作品に使われているのは、黒い羊毛や馬の毛、古い家具などです。柔らかな素材を集めた巨大な造形が画廊の1階を埋め、建物の外壁を約12メートル上まで伸びています。まるで毛に覆われた生き物が、建物を侵食しているような姿です。

この場所には、かつて化学の研究機関があり、のちに服飾関連の企業も入っていました。ターナーは、化学染料の発展や黒い喪服の歴史など、建物に残る記憶を作品へ取り込んでいます。

古いマットレスから取り出した馬の毛や、裁ちばさみなども使われ、素材が過去に担っていた役割を感じさせます。

開催場所:Annely Juda Fine Art(英国ロンドン)
会期:2026年10月1日(木)〜11月7日(土)

ここがポイント

羊毛や馬の毛は、衣服や寝具など、身体に触れるものにも使われてきた素材です。しかし、それを大量に集めて建物を覆うと、親しみやすさは不気味さへ変わります。作品の形だけでなく、材料が以前どこで使われていたかも重要です。画廊の歴史と素材の履歴が重なることで、建物そのものが記憶を持っているように感じられます。彫刻を置くのではなく、場所と一体になって変化させる表現です。

参考:Annely Juda Fine Art「Nicola Turner: I Tear Secrets From Your Yielding Flesh」公式展覧会案内

Annely Juda Fine Artの公式展覧会ページ →

10|料理の虫よけカバーがドレスになった?―折り畳める服をつくる若手デザイナーが最高賞

フランスのイエールで10月17日、第41回「国際ファッション・写真・アクセサリーフェスティバル」の受賞者が発表されました。ファッション部門のグランプリに選ばれたのは、上海を拠点とするデザイナー、ユイ・チェンです。

受賞作「Food Cover」の着想源は、幼い頃の記憶にある食卓用のカバー。料理を虫などから守るため、料理の上にかぶせる折り畳み式の覆いです。

チェンは、その構造を衣服へ応用しました。透明なレースを使ったテントのような造形や、リボンを組み合わせた立体的な衣服が登場します。再生レザーでつくったドレスには8枚のパネルがあり、アコーディオンのように平らに畳むことも可能です。

制作時には、すべての服を少なくとも一度は小さな模型にして検証しているといいます。

ここがポイント

服をつくるとき、通常は身体の形や着心地を起点に考えます。しかしチェンは、食卓で使う日用品の仕組みを衣服へ持ち込みました。広げると立体的になり、畳むと平面へ戻る構造は、建築模型や紙工作にも似ています。しかも、思いついた形をすぐ実寸でつくるのではなく、小さな模型を使って試しています。身近な道具を観察し、別の分野へ応用することが、独創的なファッションにつながった例です。

参考:Vogue「In Hyères, Yui Chen Takes Top Prize」(2026年10月17日)

Vogueの受賞報道 →

11|120メートルの橋を「巨大な洞窟」に変えた、その作り方―JRの制作資料がニューヨークへ

米国ニューヨークのPerrotinで10月28日、アーティストJRによる展覧会「In the Making: La Caverne du Pont Neuf」が始まります。

JRは今年6月、パリのポンヌフ橋を長さ約120メートルの巨大な洞窟のように見せる作品を発表しました。実際に橋を岩へ変えたわけではなく、印刷した布などを使い、景色そのものが変わったように見せる仕掛けです。

今回の展覧会では完成した風景ではなく、その制作過程に焦点を当てます。構想段階のスケッチや未公開の記録写真を展示し、巨大な錯視空間がどのようにつくられたのかを紹介します。

制作では橋をさまざまな角度から撮影し、岩の形を描き、切り抜いた図形や写真を組み合わせて検討。古いパリの屋根から回収した亜鉛板も素材に用いています。

開催場所:Perrotin New York(米国ニューヨーク)
会期:2026年10月28日(水)〜12月19日(土)

ここがポイント

遠くから見れば本物の洞窟のようでも、実際には写真や描画、印刷によってつくられた景色です。こうした目の錯覚を利用する表現は「トロンプ・ルイユ」と呼ばれます。JRの作品は一時的な公共空間の展示だったため、現在は橋に残っていません。しかし、制作資料を見ることで、消えてしまった作品がどんな手順で生まれたのかを知ることができます。完成した結果だけでなく、準備そのものを作品として考える展覧会です。

参考:Perrotin「JR — In the Making: La Caverne du Pont Neuf」公式展覧会案内

Perrotinの公式展覧会ページ →

12|未来の生き物の化石を「今」つくる?―ブラジルで機械と陶芸が合体した奇妙な展覧会

ブラジル・サンパウロのGaleria Claraboiaで、2人の作家による展覧会「Mecanosfera」が開催されています。参加するのは、エメル・フレイレとバルバラ・バニーダです。

フレイレは使われなくなった工業製品や金属部品を組み合わせ、見たことのない生物の骨格のような彫刻を制作。《Exoesqueletos》シリーズでは、黒い鋼材が骨の役割を、表面の素材が肉の役割を担います。未来の生き物の化石を、現在の廃材からつくっているようです。

一方、バニーダは陶芸によって、架空の惑星「Erotar」に暮らす生命体を表現しています。そこでは鉱物、植物、動物の境界が曖昧で、女性が火山へ変化するような姿も登場します。

現実には存在しない生命を想像することで、人間と自然、機械の関係を問い直す企画です。

開催場所:Galeria Claraboia(ブラジル・サンパウロ)
会期:2026年10月6日(火)〜11月14日(土)

ここがポイント

私たちは、機械と生き物を別のものとして考えがちです。しかしフレイレの彫刻は、工業製品を生物の骨格のように見せ、バニーダの陶芸は、岩や火山が生命を持つ世界を想像します。現実の生物を正確に再現するのではなく、「生命とは何か」を自由に考えるための造形です。金属と土という異なる素材が、どちらも未知の生き物へと変わるところが面白い点です。廃材の再利用と架空世界の創造が結びついています。

参考:Galeria Claraboia「Mecanosfera: Bárbara Banida e Emer Freire」公式展覧会案内

Galeria Claraboiaの公式展覧会ページ →

まとめ

今回のニュースには、普段見慣れているものを、まったく違う表現へ変える試みが集まりました。

雨穴の小説や動画の世界は、実際に歩ける空間になります。長野では現代の街並みが北斎の風景と重なります。仙台では子どもの線がプロのアーティストとの共同制作へ発展し、京都では萩尾望都の漫画原画と古い洋館が響き合います。

海外では、依存症からの回復を表すメダルがコイン落とし機に入り、川久保玲のビジュアル誌は立体的な展示空間へ変わります。ロンドンでは馬の毛が建物の外壁を覆い、ニューヨークでは巨大な公共アートがどのようにつくられたのかを紹介します。

なかでも面白いのは、作品の材料や制作方法そのものが、表現の意味を変えていることです。料理を守るカバーが服になり、使われなくなった機械の部品が未来の生き物になります。

美術とカルチャーの境界は、思っている以上に自由です。いつもの道具や風景にも、まだ見つけていない創作の可能性が隠れています。