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最新ART NEWS 16選【2026年10月7日】|+び。STATION

美術館や展覧会のニュースだけでなく、デザイン、映像、パブリックアート、アート市場までを網羅!

+び。STATIONでは、国内外で起きているアートの動きから、気になるニュースをピックアップ、今回は、2026年10月7日時点の最新情報から16本を紹介します。

『何が起きたのか』だけでなく、どこが面白いのか、なぜ注目したいのかも一緒に見ていきましょう。

国内のART NEWS

1|木彫り熊を、まだ更新できる―高野夕輝「向こうから」本日開幕

東京・渋谷のプレコグ・ギャラリーで10月7日、木彫家・高野夕輝の個展「向こうから」が、完全予約制で始まりました。北海道・鹿追町にアトリエを構える高野は、ほぼ一貫して木彫りの熊と山を制作しています。北海道の木彫り熊というと、鮭をくわえた写実的な熊を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、その100年以上の歴史をたどると、かなり早い時期から八雲町などで抽象化された熊も作られてきました。高野の代表的な「くまちゃん」シリーズも、そうした北海道の木彫り熊の系譜を踏まえながら、形を大胆に単純化し、現代の造形へと展開したものです。

開催場所:プレコグ・ギャラリー(東京・渋谷)
会期:2026年10月7日(水)〜10月11日(日)※完全予約制

ここがポイント

面白いのは、木彫り熊を「昔から形の決まった民芸品」として保存するのではなく、いまも変化できる造形として扱っていることです。伝統というと、昔の形を守ることを想像しがちですが、本来は作り手が受け継ぎながら少しずつ変えてきたものでもあります。高野の熊を見ると、民芸・工芸・現代美術の境界が思っているほど固定されたものではないことが見えてきます。

参考:プレコグ・ギャラリー、BEAMS

高野夕輝 個展「向こうから」公式ページ →

2|大規模修復を終えた《坤輿万国全図》を初公開―東洋文庫で「世界図ってなんだ!?」開幕

東洋文庫ミュージアムで10月7日、企画展「世界図ってなんだ!?―地図が語る世界―」が始まりました。中心となるのは、17世紀初頭に西洋の地理知識と中国の世界観が融合して生まれた《坤輿万国全図》です。東洋文庫ではこの地図に大規模な修復を施し、今回が同館での初公開となります。展示ではこの一図だけを見るのではなく、西洋・中国・日本で世界地図がどのように描かれ、未知の地域や異文化がどう理解されてきたのかをたどります。地図を実用品ではなく、時代ごとの「世界観」を映す視覚資料として読む展覧会です。

開催場所:東洋文庫ミュージアム
会期:2026年10月7日〜2027年1月17日

ここがポイント

古地図の修復は、破れや傷みを直すだけではありません。紙や顔料を守りながら、これからも研究・展示できる状態を整える保存の仕事です。《坤輿万国全図》を見るときは、現在の地図と「正確さ」を比べるより、当時の人々が世界をどう整理し、どこに自分たちの位置を置いたのかに注目すると、視覚文化としての面白さが見えてきます。

参考:東洋文庫ミュージアム

東洋文庫ミュージアム 公式ページ →

3|きくちちき初の大規模巡回個展―約150点の原画と高さ3メートルの「空間絵本」

東京・立川のPLAY! MUSEUMで10月7日、「絵本作家 きくちちき展 いきもの Rhapsody」が開幕しました。自然や動物を力強い線と色で描いてきた絵本作家・きくちちきにとって、全国を巡回する初の大規模個展です。会場では約150点の絵本原画を通して制作の歩みを紹介するほか、高さ3メートル、幅1.8メートルの描き下ろし作品30点を用いた巨大な「空間絵本」を初公開。木彫や陶器なども加え、ページの中にあったイメージを、身体ごと歩いて体験する展示空間へと広げています。

開催場所:PLAY! MUSEUM(東京・立川)
会期:2026年10月7日〜12月13日

ここがポイント

絵本原画展というと、印刷前の絵を額装して見る形式を想像しがちですが、本展では絵本の世界そのものを空間化しています。原画、立体、巨大な描き下ろしを横断して見ることで、絵本が「読む媒体」であると同時に、線・色・素材から成る美術表現でもあることが伝わります。イラストレーションを美術の側から見る入口にもなりそうです。

参考:PLAY! MUSEUM

PLAY! MUSEUM 公式ページ →

4|世界最大規模の絵本原画コンクールBIB、日本巡回展へ―42か国291名の表現を広島で

広島市現代美術館は、11月14日から「ブラチスラバからやってきた!出会う、つながる世界の絵本」を開催します。もとになるのは、スロバキアの首都ブラチスラバで2年ごとに開かれる「ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)」です。1967年に始まり、今回で第30回。42か国・291名による383冊の絵本から国際審査で選ばれた受賞作品に加え、日本代表10組の絵本と原画、関連資料を紹介します。国や言語が違えば、物語の伝え方や絵のリズムも変わる。世界のイラストレーションを一度に比較できる機会です。

開催場所:広島市現代美術館 展示室B-2、B-3
会期:2026年11月14日〜2027年1月24日

ここがポイント

絵本は文章と絵が組み合わさる表現ですが、BIBでは特に「原画」に焦点が当たります。印刷された本だけでは分かりにくい筆触や紙の質感、色材の重なりまで見ると、イラストレーションが一枚の作品として立ち上がってきます。42か国の作品を並べて見ることで、文化の違いだけでなく、共通する感情や造形感覚にも気づけそうです。

参考:広島市現代美術館、公益財団法人広島市文化財団

広島市現代美術館 公式ページ →

5|原画・撮影模型・CGでたどる「きかんしゃトーマス」の80年―映像表現の変化を展示

埼玉県川口市のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアムで10月6日、「きかんしゃトーマスの世界展」が始まりました。1945年の原作出版から80周年を迎えた節目に、原作者ウィルバート・オードリーの直筆原稿やスケッチ、絵本原画をはじめ、テレビシリーズの撮影で実際に使われた模型や表情用の顔パーツ、CG映像制作資料までを展示します。「汽車のえほん」27巻、28巻、35巻の原画は、日本では今回が初めての一挙公開。絵本から模型撮影、CGへと続く映像表現の変化を、実物資料でたどれます。

開催場所:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム
会期:2026年10月6日〜12月13日

ここがポイント

キャラクター展として見るだけでは少しもったいない内容です。トーマスは、絵本のイラストから模型を使ったテレビ撮影、さらにCGアニメーションへと表現手段を変えてきました。同じキャラクターが、技術の変化に合わせてどう「動く姿」を獲得してきたのか。原画、立体模型、デジタル資料をつなげて見ると、アニメーション制作史の入門にもなります。

参考:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ、埼玉県

SKIPシティ 公式ページ →

6|池田あきこ「猫のダヤン」新作版画展―旅のスケッチから生まれた約60点

有楽町マルイで10月7日、「猫のダヤン 池田あきこ 新作版画展」が始まりました。絵本作家・池田あきこがライフワークとして続けている旅先でのスケッチをもとにした新作版画や、ペン画を和紙に仕立てたモノクロ版画など、約60点の「88グラフ」を展示・販売します。会場では関連商品も扱うため商業イベントの側面はありますが、今回の軸は、旅先で描いたスケッチが版画作品へ展開していく過程にあります。長く親しまれてきたキャラクターの背後にある、作者自身の観察と描写の仕事を見る機会です。

開催場所:有楽町マルイ 1F イベントスペース カレンダリウム
会期:2026年10月7日〜10月20日

ここがポイント

「猫のダヤン」はキャラクターとして広く知られていますが、池田あきこの制作の出発点には旅先でのスケッチがあります。風景をその場で観察して線にし、そこから物語世界へ戻していく。その往復を見ると、キャラクター表現も一枚一枚のデッサンや版画の積み重ねからできていることが分かります。商業展でも、制作背景に目を向けると美術的な見方ができます。

参考:わちふぃーるど

わちふぃーるど 公式ページ →

7|間島秀徳、「水」をめぐる約40年の制作を展覧会で検証―日本画の素材と重力をつなぐ

武蔵野美術大学美術館・図書館は10月6日、現代日本画家・間島秀徳の教授退任記念展「Kinesis 水の森/天地無常の彼方へ」を発表しました。間島は1980年代後半から一貫して「水」を主題とし、日本画の伝統的な素材や技法を基礎にしながら、水の流れや重力そのものを制作へ取り込んできた作家です。本展では「運動」「変化」を意味する〈Kinesis〉を中心に、初期の〈Untitled〉〈Water Works〉から最新作までを紹介。約40年にわたる表現の変化を、素材と自然現象の関係からたどります。

開催場所:武蔵野美術大学美術館 展示室3
会期:2026年11月20日〜12月19日

ここがポイント

日本画というと、岩絵具や和紙など「使う素材」に目が向きがちです。間島の仕事では、そこに水の流れや重力という、完全には制御できない現象が加わります。絵具を置く行為だけでなく、素材が動き、変化する時間まで作品に含める。その視点で見ると、伝統技法が現代の絵画表現へどう広がるのかが見えやすくなります。

参考:武蔵野美術大学 美術館・図書館

武蔵野美術大学美術館 公式ページ →

8|石巻の土・食・伝承を陶磁へ―武蔵野美術大学と石巻市博物館が地域リサーチの成果展

武蔵野美術大学と石巻市博物館は10月6日、「森と海の美術展」シリーズの2026年度企画として「大地と食の陶磁展」を発表しました。陶磁専攻の学部3・4年生、大学院生、教員らが、石巻地域の土や岩石だけでなく、農産物、水産資源、食文化、民間伝承まで調査し、その成果を陶磁表現へつなげます。夏には地域の小中高生と動物モチーフの仮面を制作するワークショップも実施。土地の素材を採取して作品にするだけではなく、暮らしや記憶まで含めて地域を読み解く試みです。

開催場所:石巻市博物館 企画展示室
会期:2026年10月30日〜11月1日

ここがポイント

工芸では「何を作ったか」と同じくらい、「どこから素材や発想を得たか」が重要です。この企画は、土地の土を使うだけで地域性を表すのではなく、食や漁業、伝承、子どもたちとの活動まで調査対象にしています。陶磁器を地域の資料として考えると、工芸と博物館のリサーチが自然につながって見えてきます。

参考:武蔵野美術大学

武蔵野美術大学 公式ページ →

海外のART NEWS

9|マネの未発表素描を新たに特定―赤チョークの少女像、既知の構図とは結びつかず

美術史誌『The Burlington Magazine』10月号で、エドゥアール・マネの新たな素描が報告されました。個人コレクションにあった作品で、しゃがむ少女を赤チョークで描いたものです。研究者のエミリー・A・ビーニーとフランチェスコ・バッカネッリは、マネが1860年代に制作した人物習作の特徴を備え、フィレンツェで学んだルネサンス素描の影響も見られるとしています。画面には拡大転写のためとみられる方眼が引かれていますが、現時点で対応する既知の完成作は確認されていません。

ここがポイント

素描に方眼があるのは、図像を別の画面へ移す準備だった可能性を示す重要な手がかりです。それでも完成作が見つからない点が、この発見をさらに興味深くしています。新しい一枚が増えたというだけでなく、マネが構図をどう準備し、何を作品化しなかったのかまで考え直す材料になるからです。

参考:The Burlington Magazine

The Burlington Magazine 公式記事 →

10|「幼いマリー・アントワネット」ではなかった―リオタール肖像の人物同定を再検討

ジャン=エティエンヌ・リオタールが1762年に描いた肖像をめぐり、人物同定を見直す研究が『The Burlington Magazine』10月号に掲載されました。ジュネーヴ美術歴史博物館に所蔵される精緻な肖像は、長く幼少期のマリー・アントワネットと考えられてきましたが、新研究では別のハプスブルク家の人物を描いたものと結論づけています。さらに調査の過程で、これまで人物が特定されていなかった別の肖像がマリー・アントワネットの姿であることも示されました。

ここがポイント

肖像画は、顔が似ているから人物を決められるわけではありません。制作年、王家の家族関係、作品の記録、ほかの肖像との比較などを積み重ねて同定します。長年定着していた作品名や人物名も、資料を読み直せば変わることがあります。「誰が描かれているか」そのものが研究対象になる好例です。

参考:Oxford University Research Archive、The Burlington Magazine

Oxford University Research Archive 公式ページ →

11|紙の透かしがカラッチ作品の手がかりに―パルマ由来の紙から年代・作者を補強

ウィンザー城のロイヤル・コレクションなどに残るカラッチ一族の素描について、紙の「透かし」を手がかりに年代と作者を検討する研究が発表されました。『The Burlington Magazine』10月号によると、ロイヤル・コレクションの3点を含む一群の素描には、パルマで使われていた透かしと共通する特徴があります。これが、1600〜1602年にファルネーゼ家のためパルマで活動したアゴスティーノ・カラッチへの帰属と制作年代を補強する材料になるとされています。

ここがポイント

透かしは、紙を作る工程で入る製紙所の印のようなものです。光に透かすと見える形を、地域や時代が分かる既知の紙と比較すれば、絵そのものの筆致とは別方向から制作時期を絞れます。紙は単なる「背景」ではなく、作者や年代を考えるための物証にもなるのです。

参考:The Burlington Magazine

The Burlington Magazine 10月号 →

12|失われたオスマン主題の素描、ブカレストで再発見―フランソワ・リヴィエール研究を更新

17世紀後半の画家フランソワ・リヴィエールによる、長く所在不明だったオスマン主題の素描が、ルーマニア国立美術館の所蔵品から再発見されたと『The Burlington Magazine』10月号が報告しました。論文タイトルは「Abdallah and the odalisque」。今回の発見は、リヴィエールの素描と絵画の関係を考える新しい材料になるだけでなく、当時のヨーロッパで広く流通した「レヴァント」への固定的なイメージを、実際の作品から見直す契機にもなるとされています。

ここがポイント

「再発見」は、屋根裏から未知の名画が出る場合だけではありません。すでに美術館に収蔵されていても、作者や位置づけが十分に分からない作品はあります。目録や資料を再検討し、一点の意味を読み直すことで、作家像だけでなく、その時代の異文化理解まで更新されることがあります。

参考:The Burlington Magazine

The Burlington Magazine 10月号 →

13|レオノーラ・キャリントンの1940年代スケッチブック再発見―制作過程をたどる新資料

シュルレアリスムを代表する作家レオノーラ・キャリントンの1940年代のスケッチブックが研究対象として新たに取り上げられました。『The Burlington Magazine』10月号が紹介したのは、英国チチェスター近郊のウェスト・ディーン・カレッジにあるエドワード・ジェームズ・アーカイブに残されていた、傷みのある一冊です。ジェームズのアーカイブにはキャリントンのほか、ダリやマグリットらに関する作品や書簡も残されています。完成作品では見えにくい、図像が形になる途中の思考を追える一次資料として注目されます。

ここがポイント

完成した絵だけを見ると、作家の発想は最初から完成形で存在したように感じます。しかしスケッチブックには、試した形、消した線、繰り返すモチーフなど、考える途中の痕跡が残ります。アーカイブ研究は、作品の「結果」だけでなく、制作がどう進んだのかを具体的に取り戻す仕事でもあります。

参考:The Burlington Magazine、West Dean College

The Burlington Magazine 10月号 →

14|ナチ時代の来歴研究で返還へ―マウリッツハイスのファン・ホイエン作品をグッドスティッカー遺族に

ハーグのマウリッツハイスが所蔵してきたヤン・ファン・ホイエン《湖畔の漁師たち》(1651年)が、ユダヤ人美術商ジャック・グッドスティッカーの相続人へ返還されることになりました。来歴研究で、この作品がグッドスティッカー画廊の商品在庫に含まれ、ナチ占領下で本人側の意思に反して失われたことが裏付けられました。作品は1967年にマウリッツハイスへ入りましたが、過去の返還手続きでは対象として特定されていませんでした。返還委員会の勧告を受け、オランダ政府が返還を決定しています。

ここがポイント

来歴研究は「昔の持ち主を調べる」だけではありません。売買が自由意思によるものだったのか、迫害や占領によって所有権を失ったのかまで検証します。所蔵から何十年たっていても、新しい資料や調査で判断が変わることがあります。美術館のコレクションは、作品そのものと所有の歴史の両方を背負っています。

参考:Mauritshuis、Restitutions Committee、CODART

Mauritshuis 来歴研究ページ →

15|「1416年の画家」板絵2点、修復後に再公開―フィレンツェで材料・色彩・制作史を検証

フィレンツェのアカデミア美術館で、作者不詳の「1416年の画家(Master of 1416)」による15世紀初頭の板絵2点が、大規模な保存修復を終えて10月6日から再公開されています。対象は聖母子と聖人を描く2作品で、修復と診断調査によって、長い時間の中で見えにくくなっていた色彩や材料、制作に関する情報が改めて検討されました。展示では2点を並べ、修復上の問題、調査、処置の過程を紹介する映像も用意されています。

開催場所:Galleria dell’Accademia di Firenze
会期:2026年10月6日〜2027年3月14日

ここがポイント

修復は、古くなった作品を「きれいに戻す」作業だけではありません。表面の下に残る材料や過去の処置を調べることで、制作技法や作品の歴史そのものが分かることがあります。今回は修復の過程まで展示することで、作品を見ることと、美術館が裏側で行う研究を同じ場所でつないでいます。

参考:Galleria dell’Accademia di Firenze、ArtDaily

Galleria dell’Accademia di Firenze 公式ページ →

16|写真200年を約700点でたどる「Remember Me」開幕―ピノー・コレクションが70作家超

パリのブルス・ドゥ・コメルス―ピノー・コレクションで10月7日、「Remember Me」が始まります。写真の発明200年を記念する大規模なグループ展で、70人を超える作家による約700点を紹介。ギュスターヴ・ル・グレイからシンディ・シャーマン、アーヴィング・ペン、ヴォルフガング・ティルマンス、レイモン・ドゥパルドン、リー・ミラーまで、歴史的写真と現代のイメージを同じ場で見せます。写真を技術の歴史だけでなく、記憶や自己像をつくるメディアとして捉え直す機会になりそうです。

開催場所:Bourse de Commerce―Pinault Collection(パリ)
会期:2026年10月7日〜

ここがポイント

写真は「現実をそのまま写すもの」と思われがちですが、200年の歴史の中で、記録、報道、広告、芸術、自己表現へと役割を広げてきました。歴史的写真と現代作品を同じ展示で往来することで、「写真は何を記憶し、何を新しく作り出すのか」という、美術としての写真の大きな問いが見えてきます。

参考:Bourse de Commerce―Pinault Collection

Bourse de Commerce 公式ページ →

まとめ

10月7日は、美術史研究の細かな手がかりから、絵本やキャラクター表現まで、かなり幅のあるニュースが集まりました。海外では、マネの素描、リオタール肖像の人物同定、カラッチ素描の透かし、キャリントンのスケッチブックなど、紙や記録そのものが作家像を更新する材料になっています。一方、国内では、高野夕輝が木彫り熊を現代の造形として更新する試み、《坤輿万国全図》の大規模修復後初公開、きくちちきの原画と「空間絵本」、BIBの国際的な絵本原画、トーマスの原画・模型・CG、池田あきこの旅のスケッチから生まれた版画まで、身近な文化の中にも美術を見る入口が広がりました。研究、保存修復、民芸、絵本、映像、版画。入口は違っても、作品がどう生まれ、残され、見直されていくのかを追うと、それぞれのニュースが一本につながって見えてきます。